見せなかったグループ
事故リスクの削減効果
事故リスク※1が大幅に下がりました
事故リスク※1の削減効果
15.3%
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そもそも運転の仕方と事故リスク※1の間には
どんな関係があるのでしょうか?
私たちは、自動車保険のご契約者から募った多くのドライバーの運転挙動データを収集し、
実際に事故を起こしてしまった方とそうでない方、それぞれの運転挙動の特徴を、
クラウドコンピューティングと保険数理の力を使って明らかにできました
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起こされなかった方々の
運転挙動
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起こしてしまった方々の
運転挙動
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私たちは、運転挙動から事故リスク※1を推定できる
“ものさし”を得ることができました
運転挙動について
「安全運転でキャッシュバックプラン」では、スマートフォンに内蔵のセンサーを用いて計測した次の7つの挙動をもとに、運転スコアを計算します。
GOODアクセル・GOODブレーキ・GOODハンドルは、操作による加速度(契約車両に加わる力)が基準未満に制御され、一定時間以上継続した場合に判定します。BADアクセル・BADブレーキ・BADハンドルは、操作による加速度(契約車両に加わる力)が基準以上の強さとなり、一定時間以上継続した場合に判定します。スマホ操作(走行中のスマートフォン操作)は、契約車両の走行中に、計測に使用するスマートフォンを一定時間以上継続して操作した場合に判定します。
※各挙動は、当社が定める基準で判定します。
実際の事故リスク※1を推定できる
この“ものさし”があるからこそ
私たちはお預かりした保険料から、
最大30%のキャッシュバック が
可能になるのです
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しかし、事故リスク※1を推定できる“ものさし”を得たことと、
事故削減の効果を実現できるかは
別の話です…… そこで、次のような実験を行いました
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- 1カ月目
両方のグループに専用アプリとデバイスが一斉配布され、運転計測の実証実験をスタート。 ※ただし、参加者はアプリで運転計測データを見ることはできない。
- 2カ月目
Aグループは
引き続き計測。Bグループには、運転計測結果のフィードバック※3を開始。
また、運転スコア※4に応じた謝礼がもらえることを伝える。 - 3カ月目
Bグループのドライバーの事故リスク※1は、
※測定手順はページ下部に記載
2カ月目からAグループと比べて
どのように変化したのでしょうか
実際の事故リスクを推定できる”ものさし”で
両グループを評価しました
事故リスク※1の削減効果
15.3%
見せなかったグループ
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見せたグループ
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この効果が誰にでも当てはまり、かつ、
日本中のドライバーが
「安全運転でキャッシュバックプラン」に
加入したと仮定すると……
年間約6.6万件の事故が防げる
計算に。 ※平成30年度の事故発生件数430,601件(内閣府 令和元年版交通安全白書)に実証実験による推定事故発生リスク削効15.3%を拡大推計した数値
フィードバック※3と、
運転計測結果で変わるキャッシュバックという
インセンティブ設計によって、
自動車の事故リスク※1が少なくなる社会の
実現に貢献します
【実証実験対象者の募集方法】 ソニー損保の自動車保険加入者のうち、ソニーグループとその家族に対して、実験の狙いを伏せて、600人に参加募集を行いました。
対象者として、走行距離やノンフリート等級など既存商品におけるリスク区分の属性傾向が同じとなるような2つの集団(A、Bグループ)を作成しました。
なお、運転時間が極端に少ない方は、正確な測定ができないため、10時間/月以上運転する方のみを対象としました。
【実験期間】 2019年 11月19日~2019年 12月18日を前半1カ月間とし、2019年12月19日~2020年1月17日を後半1カ月間としました。
【実験に対する謝礼】 実験参加の謝礼として、全員に3,000円分のギフトカードを配布しました。これに加え、Bグループは、後半1カ月間の運転計測結果に応じて、もらえる謝礼の額が変化します(Bグループに追加で提示した謝礼金額は、運転スコア90点以上の人に2,000円分、80点~89点の人に1,500円分、70点~79点の人に1,000円分、60点~69点の人に500円分でした)。
【実証実験の流れ】 ①A, B両グループ全員に対し、使用しているスマートフォンに実証実験用アプリをインストールしてもらい、あわせて「GOOD DRIVE デバイス」を保険契約中の車に設置していただきました。
②実験の前半1カ月間は、両グループともいつも通り運転をしてもらいました。実証実験用アプリには、累積計測時間のみが表示されます。
③実験の後半1カ月間は、以下の通りA, Bの条件を変更しました。
Aグループ:累積計測時間が0時間にリセットされます。前半1カ月間と同様に累積計測時間のみが表示されます。
Bグループ:累積計測時間が0時間にリセットされ、画面が実際の「GOOD DRIVE アプリ」に変わります。そして、アプリ上で運転計測に基づく運転スコアと、どんな運転挙動に気を付ければ運転スコアが上がるかというフィードバックが提示されます。加えて、後半1カ月間の運転計測結果に応じて、もらえる謝礼の額が変化することを伝えます。
④こうして、Aグループの前半1カ月間と後半1カ月間の事故リスクの差と、Bグループの前半1カ月間と後半1カ月間の事故リスクの差を比較することで、③でBグループのみに行った施策の効果を測定しました。
【効果測定の手順】 ・まず、以下のように前提を置きました。
(1)各ドライバーの事故リスクは運転挙動の違いだけで変化し、運転挙動から定まる推定事故率指標で表される。
(2)Aグループの前半1カ月間と後半1カ月間の事故リスクの比較結果には、計測時期のずれによる季節性の差異だけが現れているとする。
(3)Bグループの前半1カ月間と後半1カ月間の事故リスクの比較結果には、季節性の差異に加えて、③でBグループのみに行った施策による差異が現れているとする。
・上記の前提のもとで、 A, B両グループの前半1カ月間と後半1カ月間の推定事故率指標の差分※を比較し、統計的に有意な差があることを検証しました。
※両グループの前半1カ月間と後半1カ月間の推定事故率指標の差分の分布については、正規性の検定を行っており、両グループ共に、指標の差分が正規分布に従っていると考えても問題がないことを確かめています。
・具体的には、Welchのt検定という統計手法により、A, Bグループの推定事故率指標の差分の平均値に差があるか否かを検定し、両者には有意な差があるという結果が得られました。
・Bグループにおける推定事故率指標の差異の平均値から、Aグループにおける推定事故率指標の差異の平均値を差し引くことで、季節性の影響を控除しています。こうすることで、Bグループのみに行った施策(③を参照)の純粋な効果を測定することができると考えました。この結果、事故リスクの推定削減率は15.3%になります。
・以上の検証により、Bグループのみに行った施策には、安全運転を促す効果があったことが統計的に有意に示されました。